折り畳みの杖でいろいろ考えた

腰の手術をして退院してからちょうど一か月、仕事に復帰してから2週間、硬いコルセットはまだつけたままですが、だいぶしっかり歩けるようになってきました。

今日の午前中には、週一回行っている内視鏡検査(胃カメラ)にも復帰、問題なく8人の患者さんに検査を行うことができました。

職場JISSへの通勤はバスと電車を使っていますが、退院の時に病院の売店で買った折り畳み式の杖が役に立ちます。この杖なかなかの優れもの、手品でつかうステッキと同じ原理で、中にゴムひもが入っていて、4つに折りたたんで鞄にしまうことができます。

職場の中では杖を使わずに仕事ができますが、やはり行きかえりはまだ杖があると楽です。何より、杖を持っているとみんなが何となく優しくしてくれるのがありがたい。

朝の通勤は逆方向なのでだいたい座って通勤できますが、帰りは時間によっては座ることができないときもあります。そして、今まで感じることのあまりなかった「体の不自由な人の気持ち」が少し分かることがとてもいい勉強です。

たとえば今日の帰りは超満員でした。立っていても身動きできないほど。

今の僕ならば20分間立っていることはできるけれども、立っていられない人だったらどうだろう。満員だといくら「優先席」があっても、そもそもそこににたどり着くことすらできないのです。満員になる時間帯では、体の不自由な人にとって「優先席」があっても使えない状況にある、という当たり前のことに初めて気が付きました。「優先席」でなくても、座っている誰かが席を譲ってあげよう、と思っても満員で動けないのだからそれもできません。

ということは、体の不自由な人にとっては満員になる時間帯は電車に乗れないということ。何とかいい工夫はできないかなあ、なんて考えることができるのです。

実際に経験してみる、ってことはすごく大事ですね。

手術の後もとても痛かったし、まだ自由に体を動かせられる状態ではないけれど、「手術をしたおかげでいろんなことが経験できてよかったなあ」と本当に思う私なのでした。