初めての学会発表と露天風呂での混浴

病室の窓から某女子大のテニスコートが見えます。

25年前、医者になってからこの病院で2年間研修した私は、このテニスコートのすぐ隣の研修医用の寮に住んでいました。

すべてに敏感だったあの頃、まともな医者になろうと頑張っていたあの頃、ずいぶん前のことだけれど昨日のことのように思い出されます。

指導してくれたドクター、看護婦さん、そして患者さんや患者さんの家族、たくさんの方たちに育てていただきました。

研修医一年目の時、血液内科の鈴木憲史先生から、「小松君、来年札幌で臨床免疫学会があるんだけれど多発性骨髄腫のデータまとめてみる?」と言われました。

鈴木先生に手取り足取り指導していただき、多発性骨髄腫の患者さんのカルテを取り寄せ、データをまとめ、翌年に日本臨床免疫学会総会で発表しました。私にとって初めての学会発表でした。

忙しい臨床病院での研修でありながら、医学の、アカデミックな面にも触れさせていただいたことは本当にありがたかったです。

札幌で発表した帰り、ご褒美に、小樽に寄って毛ガニを食べて、長万部、函館から青函連絡船にのって列車で東京に帰りました。

長万部まで行く途中、なんて名前の駅か忘れましたが、列車の車窓から露天風呂が見えたので急遽途中下車して鈴木先生と露天ぶろにつかっていたら、若い女性3人が入ってきて混浴、こっちは恥ずかしいのに、彼女たちはいかにも北海道の女性という感じでおおらか。いろいろな話をして楽しかった。

函館でも、ぶらっと一人で入った「シャッポ」っていう名前のバーで、たまたま来ていたお客さんの女性と真夜中函館山に登ったなあ。あのバーはまだあるんだろうか。

いまではあまり考えられないことだけれど、あのころまでは学会のあとちょっと寄り道できたりしました。今よりは少しは余裕があったのかもしれません。

その鈴木先生、先日病室に来てくださいました。25年前とまったく変わらずパワー全開、とてもうれしかったです。