花粉症のスポーツ選手ってたくさんいるんですか?

花粉症の季節になりました。

今年は去年に比べて花粉の量がかなり多いんだとか、花粉症の私としてもちょっと心配。

でも、今年は入院中で病院の中だから、いまのところまだ花粉の雰囲気は感じていません。

花粉症というのは様々な花粉が原因で鼻炎や結膜炎を起こすアレルギー疾患です。今の時期だと主にスギ花粉ですが、そのほかの花粉にアレルギーがある人は、夏や秋にも起こります。

花粉症、ぜんそく、アトピー性皮膚炎などは「アレルギー性疾患」と呼ばれますが近年増加しています。

スポーツ選手でもその頻度は増加していて、国立スポーツ科学センターでのメディカルチェックの結果でも、オリンピック候補選手たちの約3割が花粉症です。

選手たちに花粉症の治療を行っているかを問うと、多くの選手が「我慢してます」とか「気合で対処してます」なんて答えます。特に屋外スポーツでは症状が出ないほうがよいにきまっているのに、治療を行っている選手が意外と少ないのには驚きます。

この原因の一つに、ドーピングにかかわる点があります。一部の花粉症の薬はドーピング禁止薬物が含まれているため、ドーピング違反になるのが怖くて選手たちは薬を使うのを躊躇してしまうのです。もちろん、ドーピング違反にならない薬はたくさんあるので、そこら辺をしっかり教育して、選手たちが安心して花粉症の治療ができるようにしなければいけない、これは私たちの責任です。

ちなみに、花粉症でドーピングが問題となるのは、糖質コルチコイドの全身投与だけです。ですから、セレスタミンやプレドニンの内服やケナコルトなどの筋肉注射はできません。しかし、点鼻薬や点眼薬に糖質コルチコイドが含まれていても問題ありません。また、通常の抗アレルギー薬の内服も問題ありません。

私は、毎年2月14日のバレンタインデーからアレジオンという抗アレルギー剤の内服を1日1回開始して、2か月間続けます。その間、症状がひどければザジデン点眼薬やナゾネックス点鼻薬を使います。これで、マスクをしなくても、ゴーグルもつけなくても全く問題なく対処できます。

新しい世代の抗アレルギー薬は眠くなりませんし、そのかわり「すぐ効いた」という感じも少ないのですが、確実に効き目がありますから、症状が出る前から内服を開始して2か月間しっかり飲み続けることが大事ですよ。