小学生の国会見学と特定秘密保護法案

臨時国会が閉じたあとも、税制改正や補正予算、26年度の本予算などの議論が続きました。

朝から夜までびっしりの受けジュールで、机にゆっくり座る時間も全くありませんでした。

気が付いたら2週間もブログを書くのをさぼっていました。ごめんなさい。

今日は長野の自宅でこたつに入って書いています。外はどんより曇り空です。

金曜日には長野市の小学6年生の国会見学があり、小坂憲次先生に声をかけていただき、ちょうど空いていた1時間ほど、小学生たちとゆっくり国会内をまわりました。

「どうして政治家になったんですか?」

「給料はどれくらいもらえるんですか?」

「子供は何人いますか?」

音楽の先生になりたい、お医者さんになりたい、保母さんになりたい、などなど、子供たちの夢も聞きました。

とても楽しい時間でした。

そして、最初にあいさつをした後、真っ先に出た質問が

「特定秘密保護法案についてどう思いますか?」

おー、なかなかいいぞ。子供たちも政治に興味を持っていることがうれしくなりました。

説明しながら、子供たちにわかりやすく説明することの難しさも感じながら、「あー、我々はこれを怠っていたな」と素直に反省しました。

昨日も今日も、地元の皆さんと話していて必ずこの法案のことが話題になります。

まだまだ多くの方たちが不安に感じています。

日本の国民の命と国土を守るため、外国と情報を共有するために必要な仕組みです。

どの国もこのような仕組みを持っているのに日本にはない。アルジェリアのテロ事件でも、シリアの化学兵器に対する対応でも、そのために大事な情報を得ることができませんでした。

決して、戦前の自由にものの言えない社会を作るとか、都合の悪い秘密を隠すとか、そんな意図はありません。

運用の段階でも、そのようなことが決してないように、我々も責任を持って対処していかなければなりません。

先日、新幹線の中でふと思いつきました。

「これは、スポーツ界のドーピングのルールと似ているな」

ドーピング検査は、特に日本人のようにドーピングをしようとも思わない選手にとっては、大変めんどくさい仕組みです。

試合後帰りたくても検査が終わるまで帰れない、365日24時間、自分がどこで何をしているのか届けなければいけない。プライバシーの侵害ともいえるかもしれません。

しかし、「何のためにドーピング検査を行うのか」、それは「スポーツを守るため」です。しっかりとした検査をせずに、ドーピングを許してしまえば、正々堂々と戦うというスポーツの価値が無くなってしまいます。

このように、何のためにこのようなルールを作るのか、ということを選手たちに理解してもらうことが一番大事なことなのです。我々もそれに対して大きな時間を使っていましたし、丁寧に説明すれば、選手たちも「大好きなスポーツを守るためのルール」として理解してくれました。

今回の法案、「何のための法案なのか」という説明がが明らかに不足していました。まあ、わかってもらえるだろう、というおごりがあったのかもしれません。

ちなみに、ドーピング禁止薬のリストというのは、すべての薬の名前がリストアップされているわけではありません。

「・・・およびその類似物質」という書き方です。このことが選手を不安にさせます。ここにかかわって選手たちの不安をとるのもスポーツドクターの役割でした。

これは、新しい薬や、ドーピング逃れのための新薬の使用をも禁止するためです。禁止リストは世界アンチドーピング機構の委員会で決定しますが、選手に不当な不利益を及ぼすような決定はしません。

秘密保護法案も、特定秘密の規定があいまい、拡大解釈されて悪用される恐れがある、という指摘がありますが、現時点でそこまできちんと書き込めないのは、ドーピング禁止リストと似ています。

野党との修正協議による修正案でかなり改善されたと感じていますが、今後は国民の権利を侵害することがないような特定秘密の指定を行っていかなければいけませんし、それを監視する義務が我々政治家にはあります。

それにしても、「秘密」という言葉を法案に使ったのもよくなかったな。

悪い事をしてそれを隠すようなイメージ、外国ではこの種の法案は、秘密ではないものを規定する、公開法という名前にしている国もあるようです。

いずれにしても、 これからも丁寧に説明していきたいと思います。