被災地での検死ボランティアとグリーフケア

大森歯科医師会で開催された講演会で、富士見高原病院の後藤敏先生の「死体検案と歯科検案支援」という話を聞いてきました。

どうして歯科医師会?

実は大森歯科医師会会長の岡本徹先生は私の高校の同級生、てっちゃん。

そして、講演された後藤先生も高校の同級生、ごっちゃん。

てっちゃんから、「ごっちゃんが東日本大震災の医療・検死支援の話をしに来てくれるからヨタ(私のこと)も来ない?」と誘われて、聞きに行ってきたのです。

医者としてとっても勉強になる、そして心に残るいいお話でした。

泥だらけのご遺体を必死できれいにする警察の方たち。

安置所でのさまざまなドラマ。

帰らぬ人となったご主人を見て泣き崩れる女性。

その傍らにずーっと寄り添い、「わたしが死体検案させていただいた後藤です」というと、その奥さんは、どんなに素晴らしい旦那だったか、ご主人との思い出などをたくさん話してくれたのだそうです。それらをずーっと聞いていた後藤先生。

そして最後に「ありがとうございました」とその奥さん。

初めて会った後藤先生だけれど、ご主人を最後に見てくれた人。

そして、亡くなったご主人の話もずーっと聞いてくれた。

いわゆる「グリーフケア」です。

大切な人を亡くして大きな悲観(グリーフ)に襲われている人に対するサポート。

とても大切な医療行為。

悲しみを吐き出す、誰かがそれを聞いてくれる。それがとても大事。

震災医療ボランティアのことはよく報道もされたけれど、死体検案のために現地で頑張っていたドクターのことはあまりよく知らなかった。

そして、安置所でのグリーフケアまでやってたのね。

すばらしいなあ。

もちろん、そのあとは高校時代の思い出を肴に、おいしいお酒をたらふく飲みながら夜は更けていったのでした。