Archive for 9月, 2011

スポーツ仲裁シンポジウムと馳浩先生

木曜日, 9月 29th, 2011

レスリングの世界選手権の開催されたイスタンブールから帰国して1週間、久しぶりに書きます。

海外帯同で日本を不在にすると、その間にたくさんの仕事がたまっていていつも大忙しです。さらに時差ボケ状態でやらなければいけないから効率も悪い、ようやく落ち着いてきました。

昨日は六本木ヒルズ49階で「第8回スポーツ仲裁シンポジウム」が開催され、参加してきました。

スポーツ法の現代的課題と副題がついた今回のシンポジウム、スポーツ団体のガバナンス、アンチ・ドーピングなど、スポーツ基本法成立に伴い何が変わるのか、何をしなければいけないのか、という話題でした。

奥村展三文部科学副大臣と世界アンチドーピング防止機構(WADA)の事務総長デヴィット・ハウマン氏の基調講演に引き続き、パネルディスカッションが行われました。

スポーツに関する紛争を調停する期間がスポーツ仲裁機構です。1994年に設立されたスポーツ仲裁裁判所(CAS)がスイスのローザンヌにありますが、いままでに日本人としてシドニーオリンピックの選手選考をめぐり千葉すず選手が申し立てたり、Jリーグの決定したドーピング規則違反の処分取り消しを求め我那覇和樹選手が申し立てを行っています。

また日本でも2003年に日本スポーツ仲裁機構(JSAA)が設立されその役割を担っています。

新しいスポーツ基本法では素晴らしいスポーツの基本理念やスポーツ権(スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことが国民の権利である)を定めるとともに、国や地方自治体、スポーツ団体の責務なども盛り込まれたものです。すなわち、今まで以上にスポーツ関係団体は社会的責任を負うことになり、それに伴って「ガバナンス」の強化が必要となるわけです。「ガバナンス」とは直訳すると「統治」ということになりますが、「自ら健全に運営したり問題を解決する能力」とでもいいかえればよいでしょうか。しっかりした組織運営や対応能力が大事ということです。

超満員の会場には自民党の衆議院議員の馳浩先生もお見えになり、とても存在感がありました。

質疑応答で馳先生が話題にしたのは「応諾義務」のこと。

紛争が起きた時に誰かが「仲裁」するには、まずはお互いが審議に応じることが必要です。すなわち、誰かが不服を申し立てても、訴えられた側が拒否した場合には調停も仲裁もされないのです。

ですから、スポーツ団体には「応諾義務」を課すべきというのが馳先生のご意見。もちろん私も同意見。

今回のスポーツ基本法成立にも大変なご尽力をされた馳先生、自ら体を張った人の発言には重みがある、上っ面の知識だけの当たり障りのない発言とは全然違うなあ、サッスガー、と強く感じたのでした。

馳先生とは昨年ロシアで開催されたレスリング世界選手権でご一緒しました。さわやかで正義感があって私は大好き。たしか、昨年一緒にとっていただいた写真があるはずだから、見つけたらここにものっけちゃおう。

ということで、見つかりました。

今年もフリーの団長としてイスタンブールでの世界選手権にいらっしゃる予定でしたが国会のためにご一緒できなくて残念。そのうちゆっくりスポーツや日本の未来を語り合いたいなあ。

シンポジウムが終わったあと六本木ヒルズ49階から外を見るととてもいい眺め、これだけ高いとこんなに遠くまで見えるんだね。

イスタンブールの朝焼けもきれいだったけれど、東京の景色も捨てたものじゃあないなあ、と感じながら会場をあとにしたのでした。

スポーツという名の教育を改めて実感した真夏のユニバーシアード大会

土曜日, 9月 24th, 2011

日本代表チームが史上最高の成績を収めたユニバーシアード・深セン大会。参加した学生選手たちはもちろんのこと、監督、コーチ、そしてわたし自身も、この大会を通じてスポーツから多くのことを学びました…★ITmediaエグゼクティブ小松裕の「スポーツドクター奮闘記」 更新!

入場行進の様子

運動は脳を活性化する!

土曜日, 9月 24th, 2011

みなさん、こんにちは。セクレタリーKです。

小松先生は「スポーツで、日本を元気にしたい」と、日々、忙しく取り組んでいらっしゃいます。

今回、小松先生が帯同した、トルコ・イスタンブールで行われたレスリング世界選手権も全日程が終了。

日本勢は金3(48kg級・小原日登美、55kg級・吉田沙保里、63kg級・伊調馨)、銀1(66㎏級・米満達弘)、銅3(60㎏級・湯元健一、67㎏級・井上佳子、59kg級・斉藤貴子)という結果でした。五輪出場権は5つを獲得。

応援ありがとうございました!

改めて考えてみると、スポーツには様々なメリットがあります。今回のように、スポーツ選手が活躍する姿を見るだけで元気になったり、感動したり、アスリートたちの強靭な精神力に刺激を受けたり。もちろん、自分自身が体を動かすことで、楽しくすがすがしい気持ちになれます。

さらに、最近は運動することで脳が鍛えられることもわかってきています。

運動すると、若々しさや健康を維持するだけではなく、脳を刺激して活性化してくれるというのです。

なんと頼もしい!

「脳を鍛えるには運動しかない!」という本はみなさんご存知でしょうか? 2009年に発売され、大きな話題になりました。その著者である、ハーバード大学医学部精神科医学部准教授、John Ratey 先生が、先日初来日。その講演会にお邪魔してきました。

本の中には、アメリカ・イリノイ州のネーパーヴィル高校のエピソードが紹介されています。授業開始前に「ゼロ時間目」という運動の授業を始めたことで、理科や数学の成績が振るわなかった生徒達の学力が飛躍的に向上。わずか1年で、TIMSSという国際標準の試験では、理科で世界一、数学で世界第6 位という驚くべき結果をだしたのです!

また、運動することによって、脳由来神経栄養因子(BDNF)という脳のインフラを構築し、脳細胞が分裂する神経細胞(ニューロン)の存続を助ける因子を増加させることも解明(1995 年”Nature”、2002 年”TrendsinNeurosciences”)。様々な研究で、うつ病などの精神疾患や、アルツハイマー型認知症などの予防や治療に運動が有効であるという報告がされています。

現代社会を生きる私たちは、やはり「座りすぎ」が問題。特に、若い世代は、ずっと座って勉強し、ネットに向かい、運動量が少ない。その為、高校生のヘルニア増加も問題視されています。

人類が生まれて200万年。その間、ずっと動いてきたのですが、農耕がはじまった1万年程前から、徐々に動かなくなってしまった。狩猟民族は餌を得て、生きるために毎日平均20kは走っていたそうです。動くようにできていた体を動かさなくなったために、様々な病気が発症してきた。現在の精神系の病気は、逆に動く事で解決できるとレイティ先生はお話されていました。

マウスの実験では、運動がアルツハイマーを防ぐことがわかっています。8週間、ランニングウィールで運動していたマウスは、認知テストで20%認知力が向上。脳の海馬の部分厚みが増したという結果が報告されており、脳を刺激するにはエクササイズが重要だということがわかったのです。

しかし、運動の大切さを頭で理解していても、習慣として生活に取り入れるのは難しいとレイティ先生も指摘されていました。ビルの中のフィットネスクラブのある階に行くために、エレベーターやエスカレーターを使ってしまうという、本末転倒なシーンが多いと……。確かに、自分を省みてもその通りです。

運動を特別なことと考えずに、日常から積極的に動くことが大切なのです。エスカレーターを使わず、階段を上ったり下りたり、最寄り駅よりひとつ手前で降りて歩くなど、身近なところから動くべきなのです。運動するといいことが一杯あると考えて、少しずつでも取り組んでいかなければと、私も心を入れ替えました。

オススメなのは、複雑な運動。誰かと一緒にスコアを争うスポーツや、曲に合わせ振り付けで踊るダンスやエアロビクスなど。筋肉と一緒に、脳に負荷をかけて集中することで、筋肉も脳も一層鍛えられるそうです。

これからはスポーツの秋! ぜひ、積極的に体を動かしてみませんか?