月別アーカイブ: 2011年8月

東大第二内科の同窓会

土曜日は久しぶりに東京大学第二内科の同窓会にいってきました。

現在は、専門科ごとの医局にかわり、明治時代ドイツ医学とともに日本に導入された「ナンバー内科」は消えつつあります。そのうち「東大第二内科」という言葉もなくなるのだろうけれど、やっぱり私の医者としての原点。

30分ほど早く着いたので、医学部の本館や三四郎池を散策。あの頃は忙しすぎて、三四郎池をゆっくり散策する時間なんてなかったなあ。

まずは、同窓で現在徳島大学の循環器内科教授の佐田正隆先生のご講演。柔道部でもあった佐田先生、最先端の研究内容とともに、熱い想いが伝わってくる講演でした。その中で、「子供の肥満が増加している」という話も。これは、私もかかわってしっかりやらなければいけない問題。子供たちのスポーツ離れを食い止めなければいけません。

次いで、懇親会。久しぶりにお会いする先輩や後輩がたくさん。もう20年以上前に私の仲人もしてくださった、杉本恒明先生もとてもお元気でした。

懇親会のあと池之端門から出て今度は久しぶりに夜の不忍池を散策。池に向かったベンチには愛を語らうカップルの姿もちらほら。あやしい人に思われないようにベンチに座ってここを通ったころに思いを馳せます。

池の向こうには、東京スカイツリーが見えますが、そのほかは昔のまま。

中国帰りで疲れてるから今日は早く帰ろう、と一瞬思ったけれども、やはりそういうわけにはいかず、久しぶりに湯島のスコッチバー「ノア」へ。マスターも相変わらず元気。しかも店には美女がたくさん。結局ぐでんぐでんに・・・

やはり、「本郷・湯島おそるべし」の夜でした。

夏の高校野球 甲子園も熱中症多発 水分補給励行を

2011年8月19日「毎日新聞

今年の夏の甲子園大会も大変盛り上がりました。ですが、阪神甲子園球場では、熱中症とみられる症状で救護室に運ばれた選手と観客は終盤を迎えた18日時点で計339人と、猛暑と言われた昨年夏の同じ時期の297人を上回っていました。その原因について小松先生がコメントしています。

連日の熱戦に、たくさんの勇気をもらいました。

 

深圳ユニバ閉幕、かげで支えた裏方たち

先ほど閉会式が終わり、ここ深圳で12日間にわたり繰り広げられた戦いが幕を閉じました。

様々な規制があるためブログでは詳細は書けませんでしたが、日本代表選手団の活躍は感じていただけたと思います。

閉会式に先立ち、一足早く選手団の解団式が行われました。塚原団長は日本選手たちの健闘を称え、日本選手団をささえたスタッフたちにも感謝の言葉をいただきました。そして、福井総監督の音頭で、「がんばろう、ニッポン」をみんなで大きな声で叫びました。

日本選手たちは力いっぱい戦いました。胸を張って明日帰国します。

日本代表選手団は合計507人、そのうち選手が337人で役員が170人でした。この「役員」というのは、監督やコーチ、マネージャー、技術スタッフ、トレーナー、ドクターなど選手を支える人たちすべてを指します。

オリンピックなどでも「必要のない役員が多すぎる」などの議論をよく耳にしますが、私の知る限り観光気分で来ている役員はいません。ですから、「役員」と呼ばずに「スタッフ」とでも呼べばいいのに、と思います。

とくに、日本選手団本部のスタッフは大会期間中とても忙しく選手団を支えています。間近に毎日いますからよくわかりますが、「いつ寝ているのだろう」というくらい忙しいです。

大会組織委員会と頻繁に連絡を取り、毎日のように入れ替わる選手団の入村、離村を手助けし、選手村生活にかかわるすべての窓口となります。たとえば、部屋のシャワーが出ないなどの苦情にも本部スタッフが対応しますし、大会が始まる1年以上前から準備を進めているのです。

選手たちもあまり知らないかもしれないけれど、この本部スタッフの方たちがいなければ、日本選手団自体が成り立ちません。

本部スタッフの方たち、本当にお疲れ様でした。

それから、大会期間中、選手たちの健康面のサポートをしてくれた本部メディカルスタッフのみんなもありがとう。

後列左から堀田トレーナー、星川ドクター、私、吉田トレーナー、前列は中村ドクターと土肥ドクター。

そういえば、マジカルエクササイズ女医の中村先生のバッチシメイクの診察風景ものっけちゃおう。

そして、毎朝の会議のたびの塚原団長のお言葉。

昨日22日は、「我欲を捨て、開き直ればこわいものなし。 みつお」 でした。

そして今日、最後の言葉です。

「次はロンドン、目指せ頂点チームジャパン、がんばろうニッポン。 みつお」

そうです、来年のロンドンオリンピックまでもう1年をきりました。

遠くを見つめる塚原光男団長、もちろんその先にはロンドンが・・・

私も、しっかりかげで支えていきたいと思います。

世界一アツくて元気で楽しいチーム

昨日の日本選手団、サッカー男子は見事にイギリスを破り金メダルを獲得しました。さらにサッカー男子チームはフェアプレイ賞も受賞し、「正々堂々と戦う」というわれわれチームジャパンの心意気をあらわしてくれました。

昨日までに全日程を終えた日本代表選手団は金メダル23個、総メダル87個で中国、ロシア、韓国に次いで4番目の成績でした。成績だけでなく、国際親善に貢献し、「元気な日本」を発信を世界に向けて発信してくれました。

昨日、男子バスケットボールの最後の試合、チェコ戦でした。

先日は陸川監督の言葉をこのブログで書きましたが、最後の試合でも選手に向けたたくさんの言葉がありました。

スポーツの指導者の方たちと話をしていて感じるのは、スポーツを教えるだけでなく「人間を育て上げる」すなわち陶冶の意識で選手たちに接していることです。

人間として素晴らしくならなければ一流のスポーツ人になれないということでしょう。私が知っている一流選手たちも、一社会人として大変しっかりしています。

選手たちから「カリアゲ君」とも呼ばれている陸川監督、そういわれれば確かに漫画のカリアゲくんに似ています。

最終戦を前に陸川監督はいつものようにホワイトボードを使って作戦の指示を出します。そして、ホワイトボードを裏返すと・・・

「俺たちは世界一を目指そう、とがんばってきた。

世界一アツいチーム

世界一元気なチーム

世界一楽しいチーム

今日もそれをみせようじゃないか。」

そしてみんなで手をつないで輪になってゲーム前の雄叫びです。

「やってやれないことはない!

やらずにできるわけがない!

俺たちはできる!

俺たちはできる!

ワン、ツー、スリー、ニッポン!」

私も、輪の中に加わりました。試合中も大きな声で応援しました。選手たちもこのチームで戦う最後の試合、全力を出し切りました。

しかし、最終戦を飾ることはできませんでした。

陸川監督はみんなに言いました。

「力いっぱいやった結果だ。受け入れよう」

そして、ロッカールームで最後のミーティング。

陸川監督が最後に選手たちに語った「贈る言葉」です。

「才能は神から来る、謙虚であれ

名声は人間から来る、感謝せよ

うぬぼれは自分から来る、用心せよ」

この言葉を胸に、選手たちは世界一を目指してまだまだ頑張ることでしょう。

私もその場に居させてもらえる幸せを強く感じたのでした。

超アウェイ、なでしこユニバの決勝戦

一昨日はゴルフの応援とサポート。

2016年からオリンピック種目にもなるゴルフですが、日本男子は団体優勝と個人はワンツーフィニッシュ。

他の国を寄せ付けない強さでした。若い大学生連中にはこれから大きく育って欲しい。

そして、昨日は朝から夜まで、女子バスケ⇒男子バレー⇒女子バレー⇒女子サッカーとまわりました。

女子バレーは銅メダルをかけたロシア戦、とてもがんばったけれど惜しくも敗戦。

ベンチで大きな声を出すチームドクターの橋本先生とトレーナーの板倉さん。

そして最後は女子サッカーなでしこユニバの地元中国との決勝戦。

会場のまわりは厳戒態勢でスタンドに入るのに1時間近くかかりました。

そして、スタジアム内は中国を応援に来た人たちの熱気というより「うねり」にあふれていました。

超満員で、おそらく3万人はいるだろうと思われる観客全員が中国の応援団です。私も経験したこともない感覚、なんというのだろう、「人の力」とでもいうのでしょうか。本当のアウェイというのはこういう状況のことを言うのでしょうね。

途中、FIFAが夏の試合の時に審判の判断で設けている「給水タイム」もあって、すかさずパチリ。熱中症の予防のため定期的な水分補給が大事と言っている私にとっても給水タイムをルールで決めているサッカーはお手本です。

試合は1対1のまま延長戦に突入、そして最後はスタジアムごと飲み込まれてしまったような雰囲気でした。残念。

今日の朝は、体調がとても悪く風邪を引いたもよう。

そしたら塚原団長が、「それは邪気にやられたな」

なるほど、あの雰囲気、うねり、人々の思いが詰まったパワー、これを邪気というのか。医学的ではないけど、やけに納得。

ということで、昨日の塚原団長の一言は。

念じて唱える、なるほど。これで邪気を追い払わねば・・・

実際に現場に出て感じることが大事

深圳のユニバーシアード、残すところあと3日になりました。早いですね。いつもそうですが、開会式のあと競技が始まると2週間はあっという間です。

これは選手村の中に近くの山に書かれた「SHENZHEN 2011」の文字、ここ深圳は小高い山や沼地が多く、選手村も小高い山に囲まれています。

昨晩は初めて夜の選手村を散歩しました。居住ゾーンから徒歩5分のInternaional Zoneの水上ステージの上ではクラッシックの演奏が行われていて、選手やボランティアの人たちが演奏を聴きながらゆったりしていました。

このブログで選手村での生活をだいぶ紹介してきました。私もたくさん選手村生活を経験しましたが、初めての時は話は聞いていても、実際に経験しなければわからないことだらけでした。

先日も、私が勤務する国立スポーツ科学センター(JISS)の栄養グループの連中3人が選手村を訪れました。

日ごろから選手たちに栄養指導を行うにあたって、選手たちが選手村でどんな生活を送っているのか、食堂はどんな仕組みになっているのか、選手たちはどんな思いで食べているのか、それらを経験するためです。

この「現場に出る」っていうのは、医学のサポートでも同じことです。スポーツに帯同するドクターは付添い医師ではありません。現場に足を運んで、コミュニケーションをとって、選手やスタッフたちが何を求めているのか、何を感じているのかわからなければよいサポートはできません。診察室でふんぞり返って待っているようではダメなのです。

ただし、あまり近づきすぎてもダメ。その微妙な距離感の取り方がスポーツドクターの極意でしょうか。

さて今日も締めは塚原団長の一言です。

「勝運は強い心に味方する。 みつお」

ホントに団長は毎日いいこと言いますね。「強い心」があれば運もついてきます。

「選手村での洗濯」と「塚原光男を知らない乙女たち」

スポーツの遠征では毎日たくさんの洗濯物が出ます。一部のプロスポーツでは海外遠征中でも洗濯屋さんにやってもらうこともありますが、ほとんどの競技団体は自分たちで洗濯しなければいけません。

海外帯同が多い私も、スーツケースの中には必ず洗濯ロープや洗濯ばさみ、ハンガーや洗剤といった洗濯セットが入っています。

選手村の生活でも基本的にはすべて自分たちで洗濯しますが、大会の規模によってオリンピックなどではランドリーサービスが提供される場合もあります。ユニバーシアードなど学生の大会では、村内のランドリースペースにある洗濯機を使って各自洗濯をするのが通常でした。

でも今回の大会では、さすがお金持ち中国、ランドリーサービスが提供されています。

日本選手団の宿舎のすぐ近くに大きなランドリーセンターがあり、洗濯物をネットに入れて持っていくと翌日には洗って畳んで帰ってきます。これはとても便利。今まで選手たちは洗濯物に相当な時間を割いていました。洗濯機は大概いつも満杯ですから、洗濯機の順番待ちをして、洗って、盗まれないように見張りをして、干してと、おそらく一日4-5時間は洗濯にかかっていたと思います。

それがなくなって超ラクチン、もちろん私もです。

ただ、出した洗濯物が戻ってこないなどのトラブルもあるため、無くなったら絶対に困るユニフォームなどは、今まで通り各自で洗濯です。

今日も、ベランダにはサッカーチームのユニフォームが干してありました。

最後に恒例の塚原団長の一言です。今日は写真でお届けしましょう。

「己の無限の力を信じろ!パワーアップ!! みつお」

この毎日の団長の言葉、日本選手団宿舎の1階エレベーターホール前に日替わりで張り出されます。

これを見ていた、某女子選手たち。

「これって、毎日意外といいこと書いてあるよね・・・」

なに、国民的ヒーローの塚原光男さんだぞ。いいこと言うにきまってるじゃないか。今の世なら間違いなく国民栄誉賞の人だぞ。

「団長ってみつおって名前なんだー、知らなかった」

なんだと!、塚原光男の名前も知らないのか・・・、心の中で叫ぶ私

団長が鉄棒で「月面宙返り」やっていたのはミュンヘンオリンピックやモントリオールオリンピック。もう40年も前だから彼女たちが生まれる20年前。大学生たちが知らないのは当たり前かもしれません。

なんて考えているとますますおじさんぽくなるから、せめて彼女たちの気持ちは理解してあげよう。

意外といいこと書いてあるから、毎日しっかり読んでね。

全員で戦う「とびうおジャパン」

早いもので閉会式まであと5日、今日の深圳はそれほど暑くなく過ごしやすい。日本はまだまだ暑くて大変みたいですね。

昨晩は、選手村近くの競泳会場に行ってきました。

選手席のほぼ半分を陣取って、大きな声で日の丸を振りながら仲間の応援をする選手たち。

私も選手たちに混じって大きな声で応援してきました。

私の隣ではチームリーダーの上野広治さんがもっと巨大な日の丸を振りながら大きな声を出しています。

日本チームは結束力の強さと存在感で他国のチームを圧倒していました。

やっぱり競泳は個人競技ではなく団体競技だったのですね。

全員で戦う「とびうおジャパン」の強さの秘密をまじかに感じることができました。

それでは最後に塚原団長の今日の一言。

「ピンチこそチャンスに満ちている みつお」

泥くさく!奇跡は起きるのではなく起こすもの!

深圳ユニバーシアード、後半戦に入りました。

チームジャパンはメダルラッシュ、昨日16日まで金メダル11個で全体の2位、メダル総数は44個で1位です。この調子で日本選手団一丸となって戦っていきます。

スポーツの世界では、技術だけでなく、「気持ち」や「気合い」が大切ですが、とくに国際大会になるとこの「気持ち」が大きく勝ち負けを左右します。絶対に勝ってやる、という気持ちです。

今日は、男子バスケットのリトアニア戦に行ってきました。

試合前にベンチ前で選手たちに指示を出す陸川章監督。

陸川監督は、日本を代表するセンタープレイヤーとして37歳まで現役でプレイし、その後は指導者として活躍されています。我々世代のバスケットをやっていた人間にとっては知らない人はいないスーパースターです。

監督はホワイトボードを使いながら作戦の指示を出します。そして、ホワイトボードを裏返すとそこには「泥くさく!奇跡は起きるのではなく起こすもの! RUN ! RUN !! RUN !!!」の文字が。

本当にそうだよなあ。きれいでなくてもいい、泥くさく戦う。絶対勝つという気持ち、絶対負けないという強い気持ち、ねばり、奇跡を起こしてやるという気持ち、それらの気持ちがいつも強くなければ国際試合では絶対に勝てません。

もちろんスポーツ以外でも「泥くさく!」はとても大事なことでしょう。陸川監督のこの言葉を胸に、僕も走り続けるぞ。

そして今日も、塚原団長の一言です。

「ねばりにねばってねばりぬけ。 みつお」