日別アーカイブ: 2011年6月19日

山種美術館、東山魁夷を見ながら「本当の豊かさとは何か」あらためて思う

信州から上京してきた母親を連れて、広尾の山種美術館に行ってきました。

「美しき日本の原風景ー川合玉堂・奥田元宋・東山魁夷ー」、かつては存在した日本各地の故郷の姿、次世代に伝えていきたい日本の心の風景、忘れちゃだめだよ、という展覧会。

失われつつある日本の原風景を見ながら、やはり、今回の原発事故や飯館村のことなどに思いをは馳せずにはいられませんでした。

「風景自体が人間の心を語っている」という言葉を残した東山魁夷、美しい絵とともに一緒に展示されていた言葉にも心を奪われました。

「豊かな国の条件は、澄んだ大気、清らかな水、美しい山や野」

「人間が自然を大切にしなかったとすれば、それは同時に人間が人間を大切にしなくなったこを意味する」

「人間の幸福、生活の豊かさが、いま、真剣に問い直される時が来ている」

これら、30年以上前に発せられた言葉たちは、まさに大震災・原発事故のあと、我々が今感じている言葉です。

豊かな生活が当たり前なものではないことに気づき、真の豊かさ、真の幸せとは何なのか、今、みんなが考えています。

そんなことを思いながら、美しい絵、日本の原風景にしばし見入ってしまったのでした。