月別アーカイブ: 2011年6月

熱中症の症状について教えて下さい!

こんにちは、セクレタリーKです。真夏日がやってくると、あまりの暑さにぐったり。そして、「熱中症」になったらどうしよう……と、不安がよぎります。

猫も暑さにぐったりです。

「熱中症の発生が一番多いのは、通常梅雨明けの急に暑くなった7月、でも今年は6月の急に暑くなった日にもたくさん発生しています」と小松先生もおっしゃっているように、人間は「暑さに慣れる」ので、8月になればだんだん熱中症の発生は減少してきます。ですから、今のこの時期から予防を心がけるのが重要です。

ですが、そもそもどんな症状が出ると熱中症なのでしょうか? 救急車で運ばれる前に、「自分で危ない」と判断して対応できれば、大事に至らないはず!

そこで、小松先生に「熱中症になった時の症状」についてお伺いしました。

Q.暑い環境にさらされているとどんな症状が出ますか?

A.まずは立ちくらみやめまいを感じます。脱水による血圧低下が起こるためです。これらの症状が起きて来た時は、熱中症の初期のサイン。すぐに、涼しいところに移動し、横になって、水分補給、体を冷やすなど、慌てずに処置すれば問題ないです。

Q.それを放っておくとどうなりますか?

A.頭が痛くなり、気分も悪くなっていきます。吐き気をもよおし、嘔吐。倦怠感や虚脱感も強くなってきます。体がぐったりする、力が入らないなどの症状がでてきます。これは「熱疲労」「熱疲弊」と言われている状態。自分で水分を飲めない状態であれば病院で点滴を受ける必要があります。また、長時間にわたるスポーツなどで、水分だけ補給して塩分を取らないと筋肉がぴくぴくしたり痛くなったりすることがあります。これを「熱痙攣」と呼びますが、このような場合は水分だけでなく塩分も補給する必要があります。

Q.さらに病状が進行するとどうなりますか?

A.人間の体温運調節機能が破たんし、異常な高体温になります。これが熱中症の中でも最も重篤な「熱射病」です。ここまで進行すると、呼びかけや刺激への反応がおかしい、体にガクガクとひきつけを起こす、真直ぐ歩けない、意味不明なことを言う、などの意識障害が起き、触ると体温が明らかに熱いという感触があります。こうなってしまったら死の危険が差し迫った緊急事態、ただちに救急車で病院に搬送して集中治療が必要になります。特に、「意識がおかしい」などの症状の疑いがある場合は、絶対に見逃さないようにすることが重要です。

★大切なのは初期の症状がでた時点で、すぐに涼しい場所へ移り体を冷やすこと、水分を補給することが大事です。そして誰かがそばに付き添って見守り、改善しない場合や悪化する場合、吐いてしまって水分補給ができない場合には病院へ搬送してください。熱中症を侮ってはいけません。健康な人でも命を落とすことがある病気だということを忘れないでください。

「なんだかおかしいな」と感じたら、涼しい場所に移動しすぐに水分補給を行ってください。決して無理や我慢はしないでください。

そして、最も大事なことは、そのような状態にならないように、熱中症予防することです。時間を決めてこまめな水分・塩分補給、暑いときは無理をしない、十分な睡眠をとって食事もきちんととる、などに注意すれば熱中症は予防できるのです。

みなさんも暑さで体調がおかしいと感じた時は決して無理をせずに。しっかりと熱中症を予防して夏を乗り切りましょう!

★熱中症に関する情報は、環境省のだしている「熱中症環境保健マニュアル」が一番詳しく、データも最新で、わかりやすいでので参考にしてください。

正しい熱中症対策

2011年6月30日フジテレビ「知りたがり!

熱中症全般について小松先生が監修しました。

梅雨時は急激な気温上昇と高い湿度のため真夏よりも熱中症になりやすいので、注意が必要です。
熱中症対策としては水分補給!のどが渇いてからでは遅いので時間ごとにこまめに補給し塩分も補給する必要があります。
また、熱中症になった場合、涼しい場所で水分補給をするほか首・脇の下などを冷やすことが有効な対処法です。

★熱中症に関する情報は、環境省のだしている熱中症環境保健マニュアル」が一番詳しく、データも最新で、わかりやすいでので参考にしてください。

熱中症予防、集団でのスポーツ活動中はいつでも水分補給ができる環境・雰囲気を

2011年6月29日「NHKニュースウォッチ9

昨日東京台東区で、体育祭中の中高生16人が熱中症で倒れ救急車で搬送されました。

これに関して小松先生がコメントしました。

いくつかのポイントがあります。

一つは、昨日のような猛暑の中、集団でスポーツをやる場合には、熱中症の危険を常に頭に入れておくこと。集団の中には体力のある生徒もそうでない生徒もいるわけですから、基本的には体力のない人に合わせて運動を指導することです。

次に、こまめな水分補給ができる環境にあるのかどうかが肝心。「飲んでいいよ」といっても、集団で行動する場合には、「ウォーターブレイク(水飲み休憩)」を定期的にとらないと、生徒たちは水分補給ができません。また、手元に水がなければ水分をとることはできないのですから、水筒やペットボトルを持参させ携帯させること。

もう一つは、熱中症は日本で一番熱い8月よりも、梅雨明け直後の7月や梅雨の中休みの急に暑くなった日に多く発生しているということ。暑熱馴化といって、人間は暑さに慣れる仕組みを持っているのです。ですから、「急に暑くなったとき」は熱中症危険日です。

日本の夏は高温・多湿ですから、スポーツ活動をする場合には注意が必要です。

暑い日には無理をせずに、こまめな休憩、こまめな水分・塩分補給で熱中症を予防しましょう。

バレーボールの大山加奈さんと久しぶりの再会

木曜日にバレーボールの大山加奈さんから連絡がありました。

「先生、土曜日にナショナルトレーニングセンターに行くんですけどJISSに来てますか?」

大山さんは選手時代からよく知っています。礼儀正しくてまじめで一生懸命。現役を引退してもう一年たちました。

現在は、スポーツの素晴らしさを伝えるために生き生きと頑張ってます。大震災の後も、「スポーツに何ができるか」って考えて様々な活動をしました。それらの様子は、大山加奈さんのブログでつぶさに見ることができます。

25日は日本トップリーグ連携機構の若手研修会の講師として招かれて、ハンドボールの元全日本主将の中川善雄さんといっしょに「先輩選手からのアドバイス」と題した講演だったそうです。ちなみに日本トップリーグ連携機構は日本の団体球技のトップリーグが連携し、強化活動や運営の活性化目的に設立された組織です。

ハンドボールの中川さんも選手時代からよく知っています。私は残念ながら講演を聞くことができなかったけれど、なかなか味のある「大山・中川コンビ」。成功もしたし苦労もした二人だからこそ、若い選手たちにとって、心に残るいい話だったに違いありません。

講演のあと、久しぶりに大山加奈さんと再会、かわらず生き生きとしてて素敵だった。

でもこうやって一緒に写真撮ると、背が高くてかっこいいねえ。そして、私はなんとちびに見えることか。

そのあと控室に行って、中川善雄さんと3人で30分ほど談笑しました。選手時代からとっても頑張っていたお二人、こうして引退した後も、その経験を伝え、スポーツの素晴らしさを伝えるために全国を走りまわってます。僕もずーっと応援するからね。

そして最後に3人で写真撮影。背の高い二人だから、今回はよーく考えて、座った二人の後ろに私が立つという作戦。

どーだ、作戦成功だぜ。これならそんなにチビには見えないぞ。

過酷な環境の被災地の学校や避難所ー熱中症を予防しようー

6月24日、日本テレビ『スッキリ!!

小松先生が電話でコメントしました。気温30度、湿度70%の学校や避難所、ハエや悪臭で窓も開けられない。熱中症には十分注意してほしいと思います。

●扇風機やうちわで風の流れをなるべく作ること。

●のどが乾く前のこまめな水分補給です。

特にお年寄りは注意してくださいね。

JOCナショナルコーチアカデミー

今日の午前中は、JOCナショナルコーチアカデミーの講義を受けてきました。

JOCナショナルコーチアカデミーは2008年からJOCが実施している事業で、オリンピックをはじめとする国際総合競技大会に派遣するコーチ、スタッフやその候補者の研修と育成の場として、各競技種目のトップコーチが意見を交換し合える環境を作るものです。

われわれメディカルスタッフも国際競技会にかかわる一員として、「コーチング」「マネージメント」「コミュニケーション」などのスキルを磨くために、講義や実習を受けます。

今日の講義は「スポーツ行政」。文部科学省の森岡裕策さんから、昨日もブログで書いた「スポーツ基本法」や「スポーツ立国戦略」の話を聞いた後、みんなで日本のスポーツを支えてゆく仕組みについて活発にディスカッションをしました。

3つのグループで個別に討論をし、そのあとそれぞれ発表、「スポーツの意義や価値をいかにして高めるか」「スポーツを支える仕組みづくり」について議論しました。

みんなトップレベルのコーチたちですから、それぞれが高い問題意識を持ち、とても楽しい討論でした。

こういった積み重ねにより、必ず日本のスポーツを取り巻く環境は変わっていくだろう、と確信した3時間でありました。

各地で真夏日~節電の夏 熱中症に注意

6月22日、日本レビ『ZIP!』

本日は各地で猛暑が予想されています。小松先生が節電中の熱中症対策についてコメントしました。

こまめに水分補給。体を冷やす工夫。そして扇風機を使ったり、窓を開けたりして、部屋の換気をすること。この3つが熱中症を防ぐポイントです。

スポーツ基本法の持つ意味

先週17日に国会でスポーツ基本法案が成立しました。

世界共通の文化としてのスポーツの意義について定めるとともに、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことはすべての人々の権利であるとし、スポーツ立国の実現を目指すものです。附則された「スポーツ庁」の新設の検討はスポーツ界の悲願でもあります。

「スポーツ立国」というのは、競技スポーツの強化だけをいっているわけではありません。

「地域スポーツ」と「競技スポーツ」がともに手をとりスポーツ振興に取り組むことがスポーツ基本法ではうたわれています。国際舞台で選手たちが活躍することでスポーツの素晴らしさを理解する底辺がひろがります。

さらに、障害者スポーツやプロスポーツに関する規定に関しても盛り込まれました。

スポーツの意義や価値については、私もしばしば書いてきました。スポーツはには国をも変えうる様々な大きな力あがあると信じています。大震災、原発事故、この大変な時期であるからこそ、スポーツが社会に対して何ができるか、試されているのです。

我々スポーツ界は、これを機会に、スポーツが好きな人だけにではなく、スポーツが好きでない人に対しても、地道に「スポーツの価値」を語りかけてゆく努力が必要だと思います。

山種美術館、東山魁夷を見ながら「本当の豊かさとは何か」あらためて思う

信州から上京してきた母親を連れて、広尾の山種美術館に行ってきました。

「美しき日本の原風景ー川合玉堂・奥田元宋・東山魁夷ー」、かつては存在した日本各地の故郷の姿、次世代に伝えていきたい日本の心の風景、忘れちゃだめだよ、という展覧会。

失われつつある日本の原風景を見ながら、やはり、今回の原発事故や飯館村のことなどに思いをは馳せずにはいられませんでした。

「風景自体が人間の心を語っている」という言葉を残した東山魁夷、美しい絵とともに一緒に展示されていた言葉にも心を奪われました。

「豊かな国の条件は、澄んだ大気、清らかな水、美しい山や野」

「人間が自然を大切にしなかったとすれば、それは同時に人間が人間を大切にしなくなったこを意味する」

「人間の幸福、生活の豊かさが、いま、真剣に問い直される時が来ている」

これら、30年以上前に発せられた言葉たちは、まさに大震災・原発事故のあと、我々が今感じている言葉です。

豊かな生活が当たり前なものではないことに気づき、真の豊かさ、真の幸せとは何なのか、今、みんなが考えています。

そんなことを思いながら、美しい絵、日本の原風景にしばし見入ってしまったのでした。