日別アーカイブ: 2011年4月13日

リリカという新薬と体重増加

2月に腰の手術をした私の左横腹には二つの大きな傷跡があります。

上の方には約15センチほどの長い手術痕、これは横腹からたくさんの筋肉を裂いたり切ったりして腰椎(背骨)にアプローチしたもの。その下ちょうど骨盤の上の部分に約5センチほどの手術痕、ここから腸骨を長方形に採取して、削った椎間板の部分に移植しました。「腰椎前方固定術」という術式です。

皮膚から腰椎まで20センチ近くでしょうか、普段から鍛えていたおかげでたくさんの筋肉があり、だからたくさんの筋肉も裂いたりしたためか、手術のあと左の横腹から足の付け根付近に神経痛がでました。

もちろん2カ月近くたち、痛みもほとんど気にならなくなっているのですが、神経痛の治療のために手術の後から、「リリカ」(一般名はプレガバリン)という新薬を飲んでいました。

この新薬は末梢神経障害性疼痛を治療する薬で、帯状疱疹後に長く残る神経痛などに有効です。ちなみに帯状疱疹はヘルペス・ゾスターというウイルスの感染により、神経に沿って赤くなったり水ほうができたりする病気です。

1か月以上も飲んでいていまさらですが、どんな薬か勉強しようと思い、調べてみました。すると、使用上の注意に「体重増加をきたすことがある。肥満に注意し、肥満の徴候が現れた場合は、食事療法、運動療法などの適切な処置を行うこと」と書かれているではありませんか。

なるほど、そのためか。退院してから、腰に負担がかからないように体重を落そうと努力しているのですがなかなか減らない。それどころか2キロ肥えました。運動量もだいぶ落ちたからそのせいかなあ、と思っていました。

眠気やめまいが起きることがあるとは知っていましたが、お恥ずかしいことに体重増加の副作用があることは知りませんでした。受け持ちの先生も、僕が内科の医者だから当然知っていることと思っていたのでしょう。

患者さんに薬を出す時には、特に新薬の場合、副作用などについてもきちんと調べて理解して、もちろん説明もしてから出すのですが、いざ自分のこととなるとそれを怠っていました。だめですね。

あらためて勉強になりました。まあ、でも、この薬を飲んでいる間は、体重が減らないことを自分の努力が足りないせいではなく薬のせいにできるから、まんざら悪くもないなあ、などとも思ってしまったのでした。