日別アーカイブ: 2011年4月1日

熱中症、知識さえあれば計画停電も怖くない

新年度が始まりました。今年は特にいろいろな想いをもってそれぞれが新しいスタートをきったのでしょう。私も、手術をしてからちょうど1か月半、今日から職場に復帰しました。

昨日は日本テレビのニュース番組everyでコメントさせていただきました。

今回の震災の影響で夏の暑い時期にも計画停電が予想される状況、昨年は猛暑で多くの方々が熱中症でお亡くなりになりましたが、冷房が使えない状況においてどのように熱中症対策を行うか、についてコメントしました。

人間の体というのは「暑さに慣れる」ので、急に冷房が止まることが予想される場合には、そもそもあまり強く冷房をかけずに高い温度に設定して冷房が切れた場合との温度差を少なくするのがポイントです。

熱中症による死亡事故は春でも起こっていますが、そのほとんどは「急に暑くなったとき」です。また、夏のスポーツによる死亡事故も「合宿の初日」など、暑さに慣れる前に起きていることが多いのです。

さらに、本当に暑い地域、沖縄や台湾では熱中症は少ないのです。これは「暑いときには無理をしない」という習慣もあるのかもしれませんが、普段から暑さに慣れているためです。

また、温度の変化が激しくなると、体に負担になり、自律神経も不安定になるため様々な症状がでて「夏バテ」を加速させます。

昨日も収録ではそのことを一番強調したのですが、実際流れたのはそれ以外のコメント、話したことの一部だけでした。生出演以外ではいつもそうなのですが、番組の事情もあるし、そこらへんは理解しています。それよりもありがたかったのは、まだ暑くならないこの時期に熱中症を取り上げてくれたことです。

毎年、たくさんのテレビ局から熱中症に関する解説やコメントの依頼がありますが、ほとんどが暑くなってから、熱中症の死亡事故が多発してからです。

そうなる前の時期に、熱中症に対する知識を多くの皆さんに知っていただきたいと思っていました。

熱中症は予防が一番大事、そのためには、「熱中症という病気を理解していること、元気な人でも短時間で亡くなることもある怖い病気である」ということを理解していることが一番大切です。

熱中症のことを理解さえしていれば、暑い時期に無理はしないように皆が心がけますし、水分補給もしっかりしますし、今年の夏冷房が少しくらい使えなくたって恐れるに足らずです。

これからも、そのことをいろんな機会で話していこうと思います。